神無桐山(かなきりやま)は、神桐岳(かみきりだけ)・桐女山(きりめやま)・神薙山(かんなぎやま)の3座からなる連峰の総称。古くは神桐山(かみきりやま)と呼ばれていたが、近代の調査にて呼称が改められた。
主峰・神桐岳は標高1,427m。桐女山の大部分が高原であり湿原。神無桐山国立公園に指定されている。
神桐岳に登頂するにあたってルートは下記である。
神薙山8合目までロープウェイもしくは車で移動できる。神薙山山頂は、ロープウェイ降り場の駐車場から徒歩10分ほど歩くと行ける。なお、ロープウェイ運行部分を徒歩で移動すると3時間半かかる。
ロープウェイ降り場の駐車場から別ルートで徒歩5分ほど歩くと神無桐山国立公園に入る。ここからは桐女山で、桐女山の登頂は下記の3ルート。
1:国立公園の湿地帯を渡師の船で横断し、その後敷かれた木道を30分ほど歩く。初級者コース。
2:もしくは木道をすこし進んだあと左の分かれ道に入り、左外側を大回りして急こう配の整備歩道を60分ほど登る。中級者コース。
3:国立公園入口からすぐ右の分かれ道に入り、湿地帯右外側を大回りして神桐岳2合目付近に入り、そこから少し下り桐女山山頂に向かう上級者コース。途中1カ所渡渉(沢を横断)する。所要時間は二時間半。
主峰・神桐岳へは、3番の桐女山上級コースから分かれ道に入りアタックする。
途中3か所休憩地点があり、一番標高の低い3合目が有人の山小屋、残りの6合目と9合目は無人の山小屋である。
最終休憩地点から1km進んだところに赤岩と呼ばれる大きな岩があり、それを目印に左に曲がり、少し進むと尾根に出る。そこからまたしばらく進むと山頂。鳥居を模したような大岩が置かれている。
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聖条学院大学登山部に所属する男性部員5人は、厳冬期の神無桐山連邦3座連続登頂を計画していた。計画内容はこうである。
12月29日、ロープウェイ運行最終日に神薙山ロープウェイ乗り場まで車で移動、ロープウェイを使い神薙山に登頂、そのまま国立公園に入り3のルートから神桐岳3合目にある有人山小屋に到着。ベースキャンプを設置。活動4時間。
12月30日、桐女山に登頂、その後ベースキャンプにて装備を補充し神桐岳9合目に到着。活動6時間。
12月31日、神桐岳に登頂、ピストンで3合目のベースキャンプに戻る。活動7時間。
1月1日、ベースキャンプを撤収したのち、国立公園入口に戻り、ロープウェイの年始運行を待たずに徒歩で神薙山を下山。ロープウェイ乗り場に置いていた車に乗り撤収。活動7時間。
無理のない計画で登山届は提出され、受理された。
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A……部長。快活明朗な筋肉男。責任感は強いが、自分の意見を押し通すきらいがある。
B……副部長。父の影響で幼いころから山に登っており、全員の中で一番経験が豊富。キャンプ設営はお手の物。
C……部員。楽観的でいつも笑顔で天然でおっちょこちょいであんまり人の話きかかない。
D……部員。Cの幼馴染。過保護な所があり本当は登山など好きではないがCがいるため渋々部員をやっている。
E……部員。全員の中で一番新人。今回が冬山初めて。桐女山まで登頂後3合目のベースキャンプまで戻ったら終わり。その後は翌日までベースキャンプで待機し、神桐岳にはアタックしない予定。
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