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金河南

来客用書き逃げ所と思いきや雑談所

0 2020/06/19 (Fri) 15:12:38
ようこそ南のホームページへ!
お気軽に書きこんでいってください。

……とはいえ、どうせ誰も来ないので、いろんな事を雑に書いていきます。
金河南 - Re:来客用書き逃げ所と思いきや雑談所 2020/09/14 (Mon) 18:50:10
うわああああ。
エッセイ保存できてない事は仕方ないけど、短編小説も1つ消失してしまっていた。最後の28282からの改装で消えてしまった模様。
はぁ~~~~~。
仕方ない、、、、、
どっちみち本作品の叩き台みたいな話だったので、あったとしても再度UPするかどうか…といった所だからな……。
金河南 - 無題 2020/08/22 (Sat) 14:33:11 URL
皮膚はテキトーにムヒ塗ってなんとかなったけど、今度はガン健診に引っ掛かってしまったよ。ガーンwwwww
みなみ - 無題 2020/08/09 (Sun) 20:53:54
久々に皮膚病になった。
最寄りの皮膚科がこの辺で一番の医師だ。
しかし、人気&有能すぎて、40分待って診察5分という…。
診断自体を外した事はないので、迷う位ならやっぱりここなんだよな。
明後日まで待とう。
市の健診にも引っかかったし、老いを実感しちゃうね。
kinkanan - Re: 来客用書き逃げ所と思いきや雑談所 2020/07/20 (Mon) 05:04:47
先日、「憤懣やる方無い」という言葉を、たぶん人生で初めて使った。
知識としては知っていたけれど、元々そんなに憤りをあらわにする方ではないので、ちゃんと使ったのは初めて。
しかもその後、文章を見直した際に削除したので、まだ憤懣やる方無い処女は失っていない。
kinkanan - Re:来客用書き逃げ所と思いきや雑談所 2020/07/20 (Mon) 05:01:35
なくしたと思っていた手帳が見つかった。
何故か金銭関係を管理するファイルボックスに挟まっていた。
2020年創作のとこに俳句移しておくかな。
金河南

ホームページのあれこれ

0 2020/06/19 (Fri) 15:45:13
メニュー構成やHTML5、CSSについて。
金河南 - SS残り 2020/09/13 (Sun) 13:32:47
さ た は ら 行
金河南 - 小説クラス覚え書き 2020/09/13 (Sun) 11:38:20
タイトル h4
サブタイトル h5
Pクラス sp
画像クラス sira
金河南 - Re:ホームページのあれこれ 2020/08/31 (Mon) 13:52:04
マンガHTML5移行大佐まで。
クラスはUP済みだがページ自体は全部終わってから一気に。
金河南 - Re: ホームページのあれこれ 2020/08/06 (Thu) 06:39:49 URL
漫画、短いのまとめの方にあれを入れること。
金河南 - Re:ホームページのあれこれ 2020/07/26 (Sun) 11:35:35 URL
背景画像は外部呼出しの名前が決まっているためむり。
banner.gifでいける。
金河南

メモ

0 2020/06/19 (Fri) 19:45:15
メモ欄。
みなみ - Re: メモ 2020/09/06 (Sun) 20:22:53
もうかの星
金河南 - Re:メモ 2020/09/04 (Fri) 22:03:00 URL
私、サーヤが消えてからこの日記帳を買ったの。

サーヤのこと、忘れないように書こう、って。


島向こうの市場で、日記帳を探すのはとても大変だったわ。ハッサ伯父に頼んで遠いゼラブの街まで連れて行ってもらったくらい。
でもこうして日記帳が、私の前にあって、ペンとインクもあって、ようやく、って、うれしいけど、ただ



ただ、サーヤだけがいないの。




サーヤと私と島のことを記していく、私の名前はローレェ。
ググオルの孫、ウェウェダの子、ローレェ。


私が住んでいるちいさな島は、いつでも暑くて主食は焼いたバナナやイモ。細長く弓なりに反った形をしていて、両端にそれぞれ集落があって、私は西側のはしに住んでるの。集落は分かれているけれど、全員が同じ一族で、協力して暮らしているわ。
普段は海に浮かんでいるけれど、月に一回だけ海がさあっと退く日があって、
砂が見えて、
大陸と繋がる日。
そういう日は一族全員で島向こうの市場まで、砂を歩いて渡っていくの。
島でとれたイモとか、木で作った工芸品とかを、砂糖や肉と交換してもらったり、首長や上の人は情報交換しているみたい。っと、これはサーヤにはあんまり関係ない事ね。
とにかく、月に一度のイベントで、子どもは売るの任せてもらえないけれど、ちょっとだけお小遣いをもらえて、水菓子なんかを買える、幸せな日。

売り買いが終わって島向こうから帰る時、私は島の先端で皆と別れて、いつもひとりで海辺を歩くの。
ちいさな島だから、どこを通っても結局は家。

海が、
どこまでも遠いから、

いつもは行けない岩場の陰とか崖の下とか、
浜辺にはいろいろな物が落ちているから、
何かのロープや、
誰かの布や、
大きな貝がらを
拾って。

夕方になると、少しづつ波音が近くなって、普段はなんとも思わないのに、こういう時だけ、キレェだなって、思うの。
いい島よ。
一族以外、誰も来ないけれど。


サーヤと初めて会った日、その日は前日まで、島は怒り狂った風の神と雨の神に支配されていて、明日の島向こうは中止なのかなって、心配で眠れなかったくらい。
けれど次の朝は嘘のように晴れて、私、ちょっと、かなり、ワクワクしたわ。
こういう日は、帰りの浜辺は宝物でいっぱいだから……。

島向こうの市は、少しいつもと雰囲気が違っていて、父や、ハッサ伯父も、なんだろうって不思議がってた。
いつも辻のところに店を出している焼き魚売りのオジサンが、皆を集めてなにか言っていて、大人に混じって話をきいたら、昨日までの大きな嵐で、大陸に摩訶不思議なものが沢山降って来たそうだ、って。それらは全部、使い方もわからない異国のものらしくて、けれどおそらく貴重だろうからと、大陸の王が集めるように命じてきたみたい。

「アンタらの所にも降ってきてンだろうから、集めて来月にでも持ってきてくれや」


それを聞いたとき、私、ほんとうにワクワクした!
早く帰りにならないかな、って。
きっと落ちてるから、
集めて、それで、
異国の不思議なものをじっくり眺めて、
ちょっとだけ誤魔化して、
宝物の箱にそっと仕舞うの。


浜辺の帰り道は、もう本当に楽しくて。
いろいろ落ちていたわ。赤い服を着た金の髪の人形や、動物の皮でできた財布や、飲み物を入れるような透明な筒や、鏡のようにツルツルした黒くて四角くて重いもの、濡れていてもう読めない本、不思議な素材でできた誰かの帽子……。
今日を過ぎたらまた海に沈むから、少し集めてから崖の上に運ぼうと思って、岩の陰に出たとき、それを見つけたの。

大きな、
透明な箱。

細長くて、高くて、そう、私を二人つなげた位の高さで、中には小さなテーブルと灰色の箱があって、
そして、
人が座り込んでいた。

一目で女の子だって、わかったわ。
髪が黒くて、まっすぐ背中までのびていて、肌の色は白くて、
変わった服を着ていて、白地に、黒い三角の衿に、胸元からは大きな布がふわっと広がっていて、黒くてギザギザした腰布からは、白くて細い素足がのびていて、
それで
すぐに
向こうも私に気づいて。

その子はゆっくり立ちあがって、コンコンと、窓を叩いたの。



サーヤ。

私いまでもサーヤのこと、サーヤがいなくなったこと、夢に見るわ。
誰にも言えないけれど、
時々、
くやしくて。
泣きながらベッドを叩いたりするわ。






金河南 - ドライブライフ 2020/08/27 (Thu) 13:15:33 URL
車上生活しているアカサタ。下の名前はどうせナハマだろうと結城が言うと、アカサタは笑った。
アカサタは車の中で生活していた。
道の駅などの無料駐車場に車を停めて、アカサタは日雇いの仕事に出かける。
帰ってくると、道の駅の食堂で安い夕飯を食べる。車なので、風呂に入りたい時には最寄りの銭湯に出かける。
なぜアカサタが車上生活を続けているのか、理由はまだ明かしてくれない。
それでも結城は通い続けた。
結城は、車上生活者を支援するNPO団体に所属していた。
していた。
といのも、結城はこのNPO団体のボランティア精神とやらに嫌気がさしたからだ。ボランティアとピンハネが同時に行われている事にも気づいていた。
アカサタは、結城の最後の出勤日に出会った人間だった。
本来ならば仕事を辞めれば仕事と関わった人間ともオサラバ、もしくは見かけても声などかけないが、アカサタだけは違った。
「煙草を一本恵んでくれないか。昔のよしみじゃないか」
とのたまったのである。
1回、しかも数時間だけ会った人間に、昔のよしみもなにもない。
その辺のテキトーさが、結城の中に謎の感情をもたらした。


結城は、コンビニの深夜アルバイトをはじめた。
廃棄の弁当やパンをこっそり持ち帰り、アカサタと一緒に食べる明け方は何度でも楽しかった。
しかしそんな生活も長くは続かなかった。
無料駐車場から車が消えていたのだ。
ホームレスと違い、車上生活者は車という足があるため全国どこへでも行ける。
別れの挨拶もないアカサタに対して最初は憤った結城だが、毎日からっぽの白線を眺めていくうちに諦めもついた。
ボソリと「旅に出たいなぁ…」と呟く。
結城は免許を持っていなかった。
ここは、車がなくても生活できる程度には都会だった。

結城はお金を貯めて、長い時間をかけて免許を取得した。アホなため、2回も試験に落ちたがようやく合格した。
そして親に頼み込んで中古の安い軽自動車を買った。
高速道路が怖いため、国道をくだるだけの長旅が始まる。
自由になった感じがした。
しがらみも、関係なく、どこへでも行ける。
アカサタもこんな感じだったのだろうかと結城は思った。

休憩のために立ち寄った道の駅で、見覚えのある車を発見した。
アカサタの車だ。
そしてアカサタもいた。
数年前の記憶が蘇り、アカサタに近づいた。
弁当を食べていたアカサタは下を向いたまま「煙草を一本恵んでくれないか」と言い、顔をあげる。
結城は煙草を箱ごと差し出し
「全部やるよ。昔のよしみで」
と言う。
南 - Re:メモ 2020/08/08 (Sat) 14:28:45
【メモ】入院しなければならない病気にかかり、大学受験を延期したい女の話。大学側は延期しない、また来年受ければいいという回答のみ。女はもう11浪してて今年が20代最後。SNSで有名アカウントにリプ爆撃をかまし、署名運動で周知させ、クラウドファンディングで金を集め、自分で大学を設立する。
金河南 - Re:メモ 2020/07/22 (Wed) 18:12:18 URL
ウルクシュラの海岸線沿いに、ぽつんと建つオレンジ屋根の家があるだろう。この辺のひとは『シュルの小屋』と呼んでいる。住んでいるのは七十を超えた老婆と、十三を数える白猫。どちらもシュルという名で通っている。遠く東の果てにある島のまじないを使う医師だ。
金河南

紺青も薔薇薔薇

0 2020/06/19 (Fri) 15:05:26
満天と
水平線はふるえだし
白墓の光 回転速度を保ちつつ

レーデ レーデ レーデ

照らす

レーデ レーデ レーデ

投げ入れた
薔薇の花束は旅人になる
茨は祈り散り散り 遠くを目指して

レーデ レーデ レーデ レーデ

私の瞼を鐘が打つ

レーデ レーデ

過去から

レーデ

波が

肋骨の空洞を抜け
いつか月に届くことを願う
誰も知らない 理解もできない告白

レーデ レーデ レーデ

砕ける前

私は

レーデ レーデ レーデ

花弁を一枚
棺に埋めた
金河南 - 幕間 2020/08/31 (Mon) 14:05:41
コヨーテ
コヨーテ
斜陽に染まる地平で
唯一人残る楽器を鳴らせ
鈍く濁り
開かぬ片目は
彼方に去りし友への献花
コヨーテ
私は
まったくの
孤独という足を知らずに
夢を見たまま浮かび
か細き喉笛を揺らすだろう
呼ぶも
呼ぶも
誰一人残らぬ地平に眠り
名もなき草を食み
また
呼ぶ
コヨーテ
 コヨーテ
   コヨーテ
金河南 - 無題 2020/08/31 (Mon) 14:01:33
君とね
花のなか往き 語らいながら
恋と詩
愛のちがい 微笑みのこえ

指さきから
紡がれては

咲いて散り 
また
雨をうけ芽ばえ蕾ひらき

虹のはじめ

君とね
夢のおくまで 踊りあかし過ごそう
目の奥
星はひかり 三日月の口

繋いだ手が もう
解けるときは


南 - Re:紺青も薔薇薔薇 2020/07/22 (Wed) 14:54:45
わたし 一言も喋ってないわ
あなた 一体誰と話しているの?

わたしはあなたが好きなのに
あなたはわたしが嫌いみたい

あなたはわたしと会話して
わたしはあなたを嫌いと言うの

わたしはあなたを見ているだけで
あなたはわたしを嫌いと言うの

わたしはわたしじゃないみたい
あなたのわたしはわたしじゃないのに
わたしはあなたを見てるだけ

わたし 一言も喋ってないわ
あなた 一体誰と話しているの

金河南 - 無題 2020/06/25 (Thu) 15:19:24 URL
キミの肌の
鬱血のアトが
白磁の陶器に散った薔薇のように美しかったりする

今夜読むはずの
栞が抜けて
ベッドに潜り込んだ黒猫のように消えてしまったりする

珈琲を飲み
眼球を押すと
シナプスの花火が預言書のように囁いたりする


早朝の散歩は
気持ちがいい
キミを転ばせる罠をそこかしこに仕掛けて
MJ新聞に目を通しながら
誰もいない土手を歩く

クスリを一粒飲んで
苦い想い出を空に浮かばせたら

下唇を舐めて
まるで恋人であるかのように起こしてあげようと思う
金河南 - 根付かずの雪 前編 2020/06/19 (Fri) 17:04:41 URL
(1/2)


ちろちろと、降り止む気配をも見せず、庭はいつしか染められた。
吊った庭木、かきねの椿、飛び石から縁側の机木……。

広大な日本式庭園を有する屋敷の主人・有田篤郎は、
白に薄化粧したそれらを客間からぐるりと見渡し、

「――こたつを仕舞ったばかりというのに、寒の戻りとは嘆かわしいな」

疲れたように呟いた。


「おまえの処はまだ雪深いだろう。こっちへ来て驚いたんじゃないか」
有田の前に座っている客人に水を向けると、客人は

「あぁ、」

相槌を打ち、
紺絣の袖から見える肘をしきりにこすりながら

「薄着で来るんじゃなかった。火鉢くらいあるンだろうな、」

悪態をついた。


有田篤郎の妻・枝美子が死去してから今年で一年。
縁側のつきあたりから右にいくと仏間があり、今でも毎日線香が絶えない。

本日の客人である駒込厚朗も、有田家の様子を気にして立ち寄る一人であった。
駒込は、一服したあともう一度線香をたてていいかと有田に訊ね、
妻を亡くした彼は隈の濃い目を静かに伏せる。

降り続けている。


使用人の老女が、茶托に乗せた熱い緑茶を客人の前に置いた。
襖がスッと閉まると、駒込は「お前もスミに置けないな、あんな美人を囲いこんで」と小指を立てたが、それが学生時代から付き合いのある友人特有の冗談だということを有田は理解しており、唇の端をにわかにもちあげた。

同じく老女によって火鉢も運ばれてきたが、
火がついた炭は中央の一本のみ。
二人はしばらく部屋を暖めることに熱中した。

一段落した頃には最初の緑茶も冷めきり、有田は使用人を呼んで再度熱い茶を持ってくるよう指示した。


「どうもこの家は広いようでな……」
 屋敷の主人は、
冷めたほうの茶を一口すすり、

「時折、誰とも知らん足音が聞こえてくるのだ」

またも白い庭に目をやる。

駒込厚朗は言葉に詰まり、同じく庭を眺めはじめる。


幽霊か、妄想か、泥棒か、実は女を囲っているのか、使用人が増えたのか、隠し子の存在、同じようなおせっかいの友人が同居しはじめた可能性、………。




「猫さ、」

「ああ! ……なンだよ、脅かすなよ」


親友のおおげさな反応に、有田は久方ぶりに声をあげて笑った。
だが、
すぐに真面目な顔に戻り

「猫だと信じているだけだ」

と声を低くした。


妻が亡くなり、
百か日が過ぎたあたりから、
有田篤郎は毎晩眠れないのが当たり前になってしまった。
体が不眠に順応してしまい、深夜に数回フッと目を覚ましてしまう。
鳥の声ひとつしない深夜の床で、有田がすることは決まっていた。

天井を見上げながら、広大な屋敷の隅々まで神経を行き渡らせる事。

何も考えず、ただただそうしていた。

妻との思い出に潜るのは、へたに泣けない街中の雑踏――、これも有田が決めていることの一つであった。


妻の死去から半年ほど過ぎた頃。
深夜の屋敷は有田の意識が隅々まで入り込み、少しの違和でも感じ取れるまでになっていた。
気配とすこしの足音がきこえた当初は、
もちろん、
幽霊となった妻が戻ってきたと喜んだ。
が、
足音は寝床にも仏間にも入らず、ただ台所の勝手口からそっと入り、

そっと出ていくだけであった。


あるいは庭を、そっと歩き、そっと立ち止まり、そっと出ていく。

数ヵ月経っても盗まれたものはなく、おそらくは猫……
猫でなかったら小さな野生動物かなにかだろう、

いう結論に落ち着いた。


この経緯をきいた駒込は、すぐさま家を出て行った。
半刻後に現れた彼は
右手にちいさめの行李を下げ、
左手に大吟醸を下げて、
目をいたずらに下げて、
有田篤郎に宣言した。


「――今夜は無礼講だな!」
金河南
URL

太宰治「雀こ」意訳

0 2020/07/25 (Sat) 21:11:20
雀っこ(こ、は、ちいさくて可愛い物につける愛称。飴っこ、だら(銭)っこ等)


(作者は言う)
長い長い昔話を教えてあげようかな。
山の中に橡の木一本あったとさ。
その頂点に、からす一羽来て止まったんだとさ。
からすが、があと啼けば、橡の実が、一つぼたんと落ちるんだとさ。
また、からすが、があと啼けば、橡の実が、一つぼたんと落ちるんだとさ。
また、からすが、があと啼けば、橡の実が、一つぼたんと落ちるんだとさ。
****
ひとかたまりの集団の子供たち、広い野原に火三昧して遊びふけっていたんだとさ。
春になったら、雪こ(こ…愛称)溶け、ひろいひろい雪の原のあちこちに、広野の黄はだの色の芝生こ(こ…愛称)に火をつけ、それをね、野火と称して遊ぶんだとさ。
そうしたぐあいに、お互い野火をして隔て、子供たちは二組にわかれていたとさ。
片側に散らばった5・6人、声を揃えて歌ったとさ。

――雀、雀、雀こ(こ…愛称)ほしい。
他のほうの子供たち、それに応えて
――どの雀、欲しい?
と歌ったとさ。
そこにきて、雀っこを欲しいと歌ったほうの子供、打ち寄り、相談したのだと。
――誰を貰えばいいのかな?
――アホの子(*1)のヒサのこと貰えばどうだい?
――鼻水たれてるし、汚ねーわ。(要らないニュアンス)
――タキならいいんじゃない?
――女腐れ(女を下に見る差別用語)だから、(一番にするのは)おかしくね?
――タキは、いいじゃん。(なぁ、皆、と呼びかけるニュアンス)
――そうだな。
そうした具合に、とうとうタキのことを貰うように決まったんだとさ。

――右側の端っこの雀こ欲しい。
って、歌ったんだとさ。
タキが居る側のほうでは、意地悪くやろうとしたんだとさ。
――羽っこが無いのであげられない。
――羽っこあげるから飛んで来い。
こっちでこう歌い返したけれど、向こうのほうでは調子に乗って、また歌ったんだと。
――杉の木、火事だから行けないよ。
けれども、こっちの方ではとても欲しくて歌ったとさ。
――その火事避けて飛んで来い。
向こうのほうでは、雀っこ一羽離してよこしたんだとさ。タキは雀、双方の腕を翼みたいに広げ、ぱお、ぱお、ぱお、って羽ばたきの音を口で喋って喋って、野火の炎よけて飛んできたんだとさ。
これ、うちの地方の、子供たちの遊びごとなんですよ。
こうして一羽一羽と雀こ貰えるんだけれど、お終いに一羽残れば、その雀は今度は歌わなきゃいけないのだそうだ。
――雀、雀、雀っこ欲しい。
じっくり分析しなくてもわかる事なんだけれど、これは「うだでぇ遊びごと(*2)」なんだよね。
一番先に欲しがられた雀は大きく(楽しさやカースト制上位だという利益を)得るけども、お終いの一羽は泣いても泣いても足りない(幸せがない)ではないか。
いつでもタキは、一番先に欲しがられるのだとさ。いつでもマロマサは、お終いに残されるのだそうだ。
タキはよろずよ屋の一人娘で、うんと威勢よく育ったのだそうだとさ。誰と戦っても負けた事はなんだとさ。冬、どんなに(今まで見たことない)恐ろしい雪の日でも、くるめん(吹雪をさけるため顔面を覆う布)を被らないで、たわわに成るどの林檎っこ(こ…愛称)よりも赤いほっぺたを吹きさらし、どこにでも行けたのだそうだ。
マロマサは、たかまどのお寺の息子で、体つきが細くてボサッとしていて、みんなみんな、仲間外れにしていた(*3)のだそうだ。
さっきから、マロマサは、着物を乱して歌っていたんだとさ。
――雀、雀、雀っこ欲しい。雀、雀、雀っこ欲しい。
不憫っぽい様子…(作者が外側から見ている感想)、これで二度も、売れ残りになってしまった。
――どの雀、欲しい?
――真ん中の雀っこ欲しい。
タキのことを欲しがるんだとさ。中の雀っこのタキ、野火の黄色い黄色い炎ごしに、気分を悪くしたような目つきでマロマサを睨みつけたとさ。
マロマサはおっとりした声っこで、また歌ったとさ。
――真ん中の雀っこ欲しい。
タキは、他の子どもたちに、何やら、こしょこしょと(小声で)命令したんだとさ。他の子はそれを聞き、ニヤニヤして笑い笑い、歌ったのだとさ。
――羽っこが無いのであげられない。
――羽っこあげるから飛んで来い。
――杉の木、火事だから行けないよ。
――その火事避けて飛んで来い。
マロマサは、タキがぱおぱおと飛んでくるのを、当然来るだろうといった感じで待っていたんだとさ。けれども、向こうのほうでゆったりと(速度のことではなく精神的に余裕で、みたいな意味合い)歌うのだとさ。
――川が大水で行けません。
マロマサは首っこを傾げて、分析したんだとさ。なんて歌ったらいいのかな、ってすごく真剣に考えて考えて、
――橋を架けて飛んで来い。
タキは、人魂(鬼火)みたいに、目を怒りのあまり燃やして、独りだけで歌ったんだとさ。
――橋っこ流れて行けません。
マロマサは、また首を傾げて分析したんだとさ。なかなか考えられなくて。そのうち、声をたてて泣いたのだとさ。泣き泣き喋ったんだと。
――阿弥陀様や。
子供たちはみんなみんな、笑ったんだとさ。
――馬鹿の念仏、雨、降った。
――根暗な愚図の泣き虫が。
――西曇って、雨ふった。雨ふって、雪とけた。
そのとき、よろずよ屋のタキは、きずきず(*4)と叫び声をあげたんだとさ。
――マロマサのクソ野郎が!(*5)私の心を知らないで、お念仏(欲しがって喋り続けて)。あわれ、馬鹿らしいわ!
そうして、雪玉を握ってマロマサにぶつけたんだとさ。雪玉は、マロマサの右肩に当たり、ぱららっと白く砕けたんだとさ。マロマサは驚いて、泣くのをやめて、雪が溶けかけた黄はだの色の広野を、どんどん逃げていったとさ。

そろそろ夕方になったとき。野原、暗くなり、寒くなったんだとさ。子供たちは、めいめいの家に帰り、めいめい婆様のこたつに潜り込んだのだとさ。いつもの夕飯のとき、(婆様が)同じ昔話をして、聞くのだとさ。

(婆様の言葉)
長い長い昔話を教えてあげようかな。
山の中に橡の木一本あったとさ。
その頂点に、からす一羽来て止まったんだとさ。
からすが、があと啼けば、橡の実が、一つぼたんと落ちるんだとさ。
また、からすが、があと啼けば、橡の実が、一つぼたんと落ちるんだとさ。
また、からすが、があと啼けば、橡の実が、一つぼたんと落ちるんだとさ。


*1 はにやすとは、たぶん「ほンずなし」のことだと思います。ほんず(頭)無し=知能がない=低能。差別用語ですがマイルドにアホの子としました。女腐れもそうですが、津軽はわりと罵倒や差別の言葉の種類が多いです。腐れどんずとか、くちゃべりザメとか(笑)。
*2 うだでぇとは。非常につまらない、面倒くさい、いやらしい(性的な意味ではなく、性格がひん曲がっているみたいな意味のいやらしい)など、自分にとって煩い対象を嫌がる意味合いがあります。「あらんど(あいつら)うだでぐ(つまらない事をがちゃがちゃと)くちゃべて(喋って)」とか「なもかも(何もかも)うだでして(面倒くさくて)まね(だめだ)」みたいな使い方です。この場合の「うたて遊び」は「ゲーム性がいやらしい遊び」「作者にとってクソつまらない遊び」といったところでしょうか。
*3 仲間外れといじめの中間地点というか。みんなそれぞれ、マロマサと一対一だと普通に話す。でも大勢対一だと仲間外れに(必然的に)なっちゃう感じ。そこに皆ほぼ疑問を抱いていない状態。
*4 きずきず、は、きじきじですね。うなるようなギ~っというか、野太いガラガラというか、もう心の奥底から意思を絞り出すといった感じの声です。
*5 愛ごこ、には実は二通りの意味があります。可愛らしい子供、といったプラスの意味と、小憎たらしい、というマイナスの意味です。例えば皿を割った子供に対して親が「な~んぼ愛ごいっきゃの!」と言ったときは、「なんて可愛いの!」ではなく「こンのクソガキが~~!!」という意味です。そして子供の方では、クソガキと言われたことは理解しつつ、額面通りの「愛ごこ」としてのリアクションを返すという、いわば意趣返しのようなやりとりもあったりします。


蒼夜 怜奈

ぬっ、、、

0 2020/06/19 (Fri) 23:10:33
今さっき懐かしいひとの文字をみかけた。
うん。すごいなー、どんだけ手間かかったんだかと、長く継続してきた事へ感謝と尊敬を。昔の話に、身悶える!またお手紙だしますね。
金河南 - こんにちは 2020/06/21 (Sun) 07:13:41
☆☆初カキコありがとうございます☆☆

 ↑
(笑うところ)

そうですね。
ボクも絵とか小説とか長く作ってきてますが、それとこれとは性質が違いますから。よくやってきたと思いますよ。

まだ落ちてませんから、いつ落ちるのか……チキンレースの始まりですね!
こちらはりりさんの入院騒ぎで、コロナどころじゃなかったので、逆に今バイタリティあふれてるというか。
作品も筆が乗ってるうちにガンガン作っていきたいですね。

お手紙お待ちしております。
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